脳腫瘍の治療に新しい可能性
膠芽腫の新しい治療法
Source: Yale University
Date: January 15, 2020
私の仕事は理学療法士というリハビリに関わる仕事です。もちろん脳腫瘍の患者の方の治療も行います。脳腫瘍と言っても病気の種類がいっぱいあって良性のものから悪性のものまで様々です。一番辛いのは、途中でリハビリが中止になってしまう患者の方がいらっしゃることです。リハビリ中はマンツーマンで治療するので、患者さんと親しくなります。中止になる理由も知っている訳で、感情移入は良くないですがやっぱり寂しい気持ちになります。中止になる理由は色々ありますが、やはり病状が悪化してリハビリが続けられないケースが多いです。
脳腫瘍の中でも一番たちが悪いのは膠芽腫という腫瘍で、よくなる人はあまり見たことがありません。
脳は大切な臓器なので、他の臓器と比べると防御性が非常に高いです。その守りの一つである血液脳関門は血液から悪いものが脳に入り込まない様にブロックしています。でも、コレが脳腫瘍にとっては有利に働いてしまうのです。なぜなら血液の中にある免疫システムもブロックされてしまうからです。
最近ノーベル賞をとった本庶佑という方はこの免疫システムが癌細胞を攻撃できる様にするための薬を開発した先生でした。
つまり免疫システムがうまく働けば腫瘍による悪化を防ぐことができるわけです。
血液脳関門という障壁を免疫システムがうまく通れる様にすれば腫瘍細胞を攻撃することがで来るわけです。
で、この研究では、脳細胞の老廃物をリンパ管に捨てる経路を利用し、そこを通して免疫システムを逆に脳に送り込むという、元々ある経路を使って治療するという画期的なものです。
やり方としては、その経路を成長させる因子を入れることによって、その経路が成長し、そこを免疫システムが通れる様にするらしいのです。
ネズミの実験ではもう成功している様です。早く人間でも利用できる様になれば多くの患者さんが助かる様になるのです!
そしてもう一つ凄いと思ったのが、この研究者の中心となる研究者が日本人の女性なんです。漢字はわかりませんがアイコ イワサキという方です。凄いですね!日本人の研究者ってすごく多いですね。頑張って欲しいです。