デュシェンヌ型筋ジストロフィーの新しい遺伝子治療
筋ジス豚の遺伝子治療が成功した。
Date: January 27, 2020
Source: Technical University of Munich (TUM)ルケなく
今まで筋ジストロフィーの遺伝子治療の研究は数多く行われてきましたが、ネズミや小動物を使った治療がほとんどでした。この記事では、豚での遺伝子治療が成功したと報告しています。豚で成功したと言うことは人間に応用できる日も近いと言うことですね!
タイトルに書いたデュシェンヌ型筋ジストロフィーという病気は、男の子がなる病気です。遺伝性疾患でX性染色体の異常が原因です。5歳ごろから症状が現れて徐々に階段を上がれなくなったり、床からの立ち上がれなくなったりで徐々に体を蝕んでいきます。だいたい12歳ごろには歩けなくなり車椅子の生活となります。今は40歳ぐらいまで生き残る人もいるようですが大体はその前に亡くなります。非常に残酷な病気です。子供もかわいそうですが親の気持ちを考えるといたたまれない気持ちになりますね。
筋肉(心臓の筋肉も含めて)の細胞の膜表面にはジストロフィンというタンパクがあって、このタンパクによって膜構造を維持できるのですが、この病気の子供の筋肉にはこのジストロフィンを作る遺伝子に異常があるため、ちゃんとしたジストロフィンタンパクを作ることができません。結果、筋肉の細胞は徐々に死滅しそこに結合組織や脂肪組織が侵食します。このため運動能力が障害されるのです。
で、今回の報告ではその異常タンパクを作り出す遺伝子を遺伝子操作によって切り出してしまうというものです。結果、正常なジストロフィンたんぱくが作られ病気が改善するのです。
特筆すべきは最初に書いたように豚の実験で成功したということですね。まあ素人考えですけど豚で成功したのなら、人間に応用する日も近いのではと思ってしまいます。
多分それにはまだ多くの壁があるのでしょう。でも、もし人間で成功したら今いる患者の子やその家族はどれほど喜ぶか想像もできません。是非とも早い吉報を聞きたいですね!