ザ・バンドというバンド

大人になって分かったこと

ロックを聴くようになったのは、中学三年生の時です。友達にディープパープルを聞かされてその衝撃ですっかりハマってしまいました。そのころはクラプトン、レッドツェッペリン、ブラックサバスなど錚々たるバンドやアーティストがいっぱいいました。とにかくハマりにハマりまくって大変なことになっていました。特にハードロックですね。若いからエネルギーダダ漏れで聞いていました。

ザ・バンドを知ったのは実は映画を見たからです。高校二年生の時に話題になっていたので見に行ったのですが、曲などは聞いたことも無かったのに映画だけ観に行ったのです。

映画はラストワルツという題名でそのザ・バンドが解散するのでその解散式に多くのミュージシャンが参加するという内容でした。で、感想ですが退屈の一言でした。全く何も感じませんでした。ただ、ミュージシャンの中にマディーウォーターズというシンガーがいてこの人だけは感銘を受けました。あとでアルバムも買ったりしました。

時は流れて３０歳ぐらいのある日、一人でお酒を飲んでいました。特に話す相手もいないので音楽でもかけようかと思いザ・バンドのCD をかけました。なんでうちにザ・バンドのCDがあったのか今となってはわかりませんが、なぜかその時CDをかけたのです。

その時の衝撃は今でも忘れません。まあ滲みるって言葉がありますがまさにそれでしたね。びっくりです。今まで知ってはいたけど気にもしていなかった曲が心の中に入り込んでくるのがわかりました。飲み始めで酔っ払ってもいないのになぜか体が溶けていきます。今まで経験したことのない感覚でしたね。

高校生の時は気にも留めなかった曲が親父になるとこんなに変わるものなのかと思いましたよ。同じ人間でも時間や場所が変われば受け入れるものも変わるんだなあ〜とつくづく考えさせられましたね。

よく考えてみれば一人の人間でもこんなに変わるんだから、自分以外の人の感じ方なんて全く違って当たり前だと思うようになりましたね。「あいつなんであんなものがいいと思うんだろう」なんてことはとても言えません。

ザ・バンドにはほんと勉強させられました。そんな話です。

ラストワルツのDVD です。感じ方は人それぞれですがお酒を飲みながら見ると感涙ものです。

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